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NEW地学基礎教室「海洋の運動」

空気塊くん
空気塊くん
大気の分野を学んだら次は海洋について学んでいくよ

海水

海水の組成

海水は様々なものが溶けています。

うさぎさん
うさぎさん
なめると塩辛いよね。
図「海水に溶ける塩類の組成比」

塩化ナトリウムはいわゆる塩で、食塩として食卓に欠かせない存在です。

うさぎさん
うさぎさん
塩化マグネシウムって何なの?
空気塊くん
空気塊くん
塩化マグネシウムはスーパーではにがりとして売られているよ。

※にがりは豆腐を作るときに使われるものです。

塩分

海水にどれくらい塩類が溶けているのかを表しているのが塩分です。
海水1kgには塩類が約35g含まれていて、これを塩分で表すと35‰(パーミル)です。

うさぎさん
うさぎさん
‰(パーミル)?

‰(パーミル)は千分率を表す記号です。例えば%は?/100を表しますが、‰は?/1000を表します。

うさぎさん
うさぎさん
%じゃダメなの?
空気塊くん
空気塊くん
‰だと数値がそのまま海水1kgに含まれる塩類のgになるからわかりやすいよ
うさぎさん
うさぎさん
なるほど

海洋の層構造

海洋は主に水温の変化をもとに3つの層に分類されます。

図「海洋の層構造」

表層混合層

海洋の3つの層構造のうち、最も上にある層。
よく混合されているため、上下での温度差はあまりない。
季節や場所による温度差が大きいのが特徴。

水温躍層

海洋の3つの層構造のうち、真ん中の層。
温度が急激に変化するのが特徴。

空気塊くん
空気塊くん
滑り台みたいに水温が一気に変化する層だよ

深層

海洋の3つの層構造のうち、最も下にある層。
季節や場所による温度差が小さいのが特徴。

空気塊くん
空気塊くん
季節や場所で違いがほとんどないよ

表層混合層と深層は、よく対比されます。
表層混合層は季節や場所によって温度が全然違います。
深層は季節や場所での違いはほとんどありません。

海流

海流とは海の横方向の流れのことです。

うさぎさん
うさぎさん
日本では黒潮や親潮などが有名だね
空気塊くん
空気塊くん
なんで海流が生まれるかわかる?
うさぎさん
うさぎさん
なんでだろう
空気塊くん
空気塊くん
海流は海上を吹く風によって発生するよ

黒潮→北太平洋海流→カリフォルニア海流→北赤道海流→黒潮のようにぐるぐると一連の流れでつながっている海流があります。これを環流といいます。

図「環流」
うさぎさん
うさぎさん
ぐるぐる回ってるね
空気塊くん
空気塊くん
北半球だと時計回り、南半球だと反時計回りだね

ちなみに環流は西側のほうが強く流れて、これを西岸強化といいます。

空気塊くん
空気塊くん
海流は熱も輸送しているよ

鉛直方向の海水の流れ

鉛直方向(上下方向)には海水は移動しにくいです。

うさぎさん
うさぎさん
なんでだろう?
空気塊くん
空気塊くん
海水は一番上部が太陽によって暖められて1番温度が高くなるからだよ

鉛直方向の循環はものすごく時間がかかり、約1000~2000年かかると考えられています。

空気塊くん
空気塊くん
循環するためには海水が沈み込む必要があるよ
うさぎさん
うさぎさん
海水の密度が高くならなくちゃ沈まないね
空気塊くん
空気塊くん
そうそう。密度が高い水が形成されるのは限られた場所だよ

密度の高い水は、温度が低くて、塩分が高いという条件が必要です。

うさぎさん
うさぎさん
つまり重たい水ってことだね

※水の密度は約4℃で最大になります。

塩分が高くなるためには

空気塊くん
空気塊くん
塩分が高くなるためにはどうしたらいいと思う

水だけ量が減ると塩分は高くなります。水だけ減るためには「水が蒸発する」か「水が氷る(凝固)」の2つが考えられます。
そのうち、「水が蒸発する」という変化は水温が高いときによく起きるので、水温が低いときに密度が高くなると対応しません。

うさぎさん
うさぎさん
水温が低いと対応するのは「水が氷る(凝固)」方だね

その条件が満たされていて海水が沈み込んでいるのは大西洋の北部です。

うさぎさん
うさぎさん
北極の近くだね
空気塊くん
空気塊くん
ここで沈む水が原動力になって、長い年月をかけて水は移動していくよ

海洋の運動まとめ

  1. 海水1kgには約35gの塩類が含まれている。
  2. 海洋は3つの層構造になっていて、深い場所ほど水温は低い。
  3. 水平方向の海水の流れを海流という。海流は風により発生する。
  4. 海水の上下方向の循環には長い年月がかかる。

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