この記事には新課程に対応した改訂版があります。
地球の表層はプレートという硬い岩盤で覆われています。プレートはゆっくりですが地球の表層を動いています。地震や火山活動、造山運動など様々な地球の活動をプレートが動くことから説明することができます。プレートが動くことから地球の様々な活動を説明する考え方をプレートテクトニクスといいます。プレートテクトニクスは超重要な考え方です。
プレート
プレートは地球の表層の硬い岩盤です。ポイントをいくつか紹介します。
その1、プレートは世界中に十数枚存在する。
日本はプレートの4枚の境界に位置します。
その2、プレートは硬い岩盤でその下には柔らかい層がある。
硬いプレートがある層をリソスフェア。その下にある柔らかい層をアセノスフェアといいます。リソスフェアは冷たくて硬く、アセノスフェアは暖かくて柔らかく流動性があります。柔らかいアセノスフェアに乗った硬いリソスフェアが動いているのが、プレートの移動です。
その3、プレートの境界では地震や火山分布が集中している。
プレート境界では地震や火山分布が集中しています。つまりプレート境界と地震や火山分布に何らかの関係があることが考えられます。
その4、プレートには海のプレートと陸のプレートがある。
陸のプレートの方が密度が小さく分厚いです。海のプレートの方が密度が大きくて薄いという特徴があります。
プレートテクトニクス
プレートテクトニクスとは地震や火山や造山運動という、一見関連がなさそうである地球で起きる活動のメカニズムをプレートが動きから説明する理論です。つまり、地震が発生するのはプレートが動くから。火山ができるのはプレートが動くから。造山運動がおきるのはプレートが動くから。という具合に説明できるのです。
※プレートテクトニクスは1970年代以降ぐらいにできた理論で、めちゃめちゃ新しいです。
※固体地球分野のほとんどがプレートテクトニクスで説明されています。とっても重要な考え方なのです。
大陸移動説は1912年にドイツの気象学者&天文学者でもあったアルフレッド・ウェゲナー(1880‐1930)が提唱した説です。ウェゲナーは大西洋の両岸にある4つの大陸の海岸線を近づけると、パズルのようにくっつくことに気がつきました。そのことから、わかれている大陸はもともとひとつであり、大陸が移動することで現在の位置関係になったという大陸移動説を着想します。離れた大陸から同じ古生物の化石が見つかることや、地質構造、氷河の痕跡などを証拠として彼は自身の考えを深めていきました。1915年に「大陸と海洋の起源」という本を出版します。しかし、当時の人類にとって巨大な大陸が動くというのは考えられないことでした。さらには、提唱された大陸移動説では大陸の移動するエネルギー源や仕組みは説明できなかったということもあり、ウェゲナーの考えはあまり受け入れられなかったと言われてわれています。そんなウェゲナーは大陸移動説の証拠を見つける調査中に亡くなってしまいます。1930年のことでした。
ウェゲナーの大陸移動説は思わぬところで復活します。「古地磁気学」です。古地磁気学とは岩石の中に残っている残留磁気を調べる学問なのですが、ざっくり言うとマグマが固まって岩石になるときに、岩石は地磁気の方向の情報を残します。その情報を読み解く学問なのです。古地磁気学で昔の磁気を調べると、同じ時代の岩石にもかかわらず、岩石が採れる場所によって南極や北極を示す場所が違うことがわかりました。つまり、岩石ができたときから場所が移動したということです。その事実は世界に衝撃を与えて、後々の「海洋底拡大説」と「プレートテクトニクス」に繋がり、ウェゲナーが言っていたことが正しいことが証明されていきました。
プレートが動く原動力
ウェゲナーの時代ではプレートが動く理由を上手く説明できませんでしたが、現在は理由が少しずつ解明されています。その謎を解く鍵はマントルにあります。マントルは長い時間をかけて動いていることがわかりました。具体的には高温のマントルが上昇していて、低温のマントルが下降しています。この動きのことをマントル対流と言います。
対流運動は温度差があるときに発生することが多いです。大雑把にいうとマントル対流は地球内部の高温な核の熱を逃しているのです。
現在ではプレートが単体で動いていると捉えるのではなく、マントル対流という地球内部まで含めた大規模な運動のひとつの現象としてプレートが動かされていると考えられています。
※マントルが上昇する筒状の流れのことの方だけをプルームと言う場合もあります。