風化
地表にある岩石は風化作用によって長い時間スケールで捉えると、少しずつ砕かれています。これが風化作用です。
※ 岩石が細かく砕かれたものを砕屑物といいます。
風化作用には2種類あり、それぞれ物理的風化(機械的風化)と化学的風化という名前です。
風化の種類 | 説明 | 発生しやすい地域 |
物理的風化 | 温度が変化したり、染み込んだ水が凍結するなどして、岩石が砕かれていく風化作用。岩石自体はしない。 | 乾燥・寒冷地域 |
化学的風化 | 雨水や地下水などと岩石が化学反応を起こして、岩石が溶けたり、変化したりする風化作用。岩石は化学反応により変化する。 | 湿潤・温暖地域 |
※ 化学的風化によって形成されるのがカルスト地形です。山口県の秋吉台などが有名です。石灰岩が雨水によって溶けてできます。
流れる水の3つの作用
流水には地形を変化させる作用が3つあります。
侵食作用 | 水の流れによって海底や側面を削ること。 |
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運搬作用 | 説明水の流れによって砕屑物を運ぶこと。 |
堆積作用 | 運搬した砕屑物が水底に堆積すること。 |
砕屑物は最終的に海底で堆積して、続成作用によって堆積岩になります。
流水により形成される地形
水の3つの作用によって特徴的な地形をいくつか紹介します。
V字谷
説明 | 強い下方侵食によって、V字の形に削られた谷地形 |
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形成される場所 | 河川の上流 |
扇状地
説明 | 山から平野部へ河川が出たときに、急激に流速が落ちることで、砂や礫が堆積してできる地形 |
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形成される場所 | 山のふもと |
三角州
説明 | 河川に運ばれた堆積物が河口で堆積してできる地形 |
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形成される場所 | 河口付近 |
三角州では運ばれてきた粒子がどんどん積み重なるので、条件が整えば新しい陸地がどんどん海の方向に増えていきます。例えば大阪平野は三角州によってどんどん広くなっています。これは大阪が面している海が大阪湾で、水の流れがそんなに早くないので、三角州が形成されやすかったからです。
大陸棚
説明 | 海岸から水深200mくらいまで傾斜の緩やかな平坦面が続く地形 |
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形成される場所 | 海岸近くの海底 |
大陸斜面
説明 | 大陸棚の先端から見られる、深い海底へと続く急激な斜面 |
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形成される場所 | 大陸棚の先端〜 |
ちなみに混濁流によって海底に堆積される特徴的な地層をタービダイトと言います。
地層
地層は異なる堆積物が層状に積み重なって形成されます。
ちなみに、地層と地層の境目を層理面(地層面)と言います。
地層は上と下、どっちが新しい?
えっと、下から積み重なるからそりゃ下の方が古くて、上の方が新しいんじゃなの
地層は必ず下から積み重なるので、地層の逆転がなければ、上の方が新しい時代のものになります。この法則を地層累重の法則と言います。
地質学者は地層から過去の出来事を予想するとき、過去も現在も自然現象は同じように起きていると考えます。この考え方を斉一説といいます。この説はイギリスの地質学者のハットンによって提唱され、ライエルによって広まりました。ライエルは「現在は過去を解く鍵である」という言葉を残しています。この言葉は斉一説を象徴する言葉としてとても有名です。
堆積構造
堆積構造とは地層一枚一枚がどのように堆積したかを観察した時に見られる、特徴的な配列や構造のことです。
クロスラミナ(斜交葉理)
層理面と斜交する縞模様が特徴の堆積構造
斜交している縞模様を切っている方が上位で、切られている方は下位
級化構造(級化層理)
1枚の地層の下部から上部に向かって粒径が、だんだん小さいものに変化する堆積構造
リプルマーク(漣痕)
水底で形成される波を打ったような形の堆積構造
とがっている方が上位の地層である
ソールマーク(底痕)
水底に堆積した礫などが水に流されることで傷がつき、それを埋めるように次の堆積物が堆積する事でみられる堆積構造
削られている方が下位の層になる。
- 水底に礫や貝が堆積する
- 礫や貝が水流によって流される
- 水底に痕がつく
- 痕を埋めるように堆積物が堆積する
整合と不整合
地層と地層の接し方には整合と不整合の2種類があります。
整合
整合とは、時間的に連続して形成された地層です。
整合のGIF
不整合
不整合とは、地層と地層の間に時間的な繋がりがなく、不連続に接することです。
不整合の面を不整合面といいます。
- 水底で地層が形成
- 地面が隆起して陸上に上がり、風化作用を受ける
- 地面が沈降して、地層が形成される
- 地面が隆起して不整合面が陸上に露出する
不整合のGIF
地質構造
堆積構造は地層1枚1枚を観察したけど、地質構造は地層全体を捉えるよ。
地質構造には大きく2種類あります。
断層
力が加わり、地層が割れたもの
褶曲
力が加わり、地層が曲がったもの
私たちの生活を支えるエネルギーとして石油は有名ですが、石油は地面の中から採取します。地面の中のどこにあるかというと褶曲の背斜構造がある場所にあることが多いです。石油は少し軽いので、浮力によって上昇しようとするのですが、背斜構造の石油を通しにくい層にぶつかると、そこに溜まります。これが油田になります。石油を掘り当てたければ地質学の知識は必須です。
地層の対比
離れた地域にある地層と地層を比べて、同じ時代の地層であるかを確かめることを地層の対比と言います。
地層の対比に役立つ地層を鍵層と言います。
地形と地層まとめ
- 風化作用や水の作用によって地表は絶えず変化している。
- 堆積構造を見ることで、堆積した当時の状況を知ることができる。
- 地質構造を見ることで、地層にどのような力が加わったのかを知ることができる。
- 地形や地層には地球の過去の情報が詰まっていて、見方を知ることが地球の過去を知ることにつながる。
わかりやすいです!
匿名 さん
コメントありがとうございます。
わかりやすいと言っていただけたこと、大変嬉しく思います。
ほんとにほんとにわかりやすいです
匿名 さん
コメントありがとうございます。
わかりやすいと言っていただけてとても嬉しく思います。
わかりやすくて、勉強がはかどりました!
ありがとうございます!!
ピーナッツバターさん
コメントありがとうございます。
お役に立てて嬉しいです!