学べる地学

NEW地学基礎教室「大気圏」

地面(固体)に比べて大気(気体)や海洋(液体)は大きく流動していて変化が激しいです。さらにほとんどの人が天気予報を毎日確認するように、私たちの生活にも大きく関係しています。

うさぎさん
うさぎさん
とても身近な学問だね

大気は何でできている?

大気の分野を学ぶためにまずは大気が何でできているかを理解しましょう。

うさぎさん
うさぎさん
窒素と酸素だよね!
空気塊くん
空気塊くん
そうそう
窒素が約8割で酸素が約2割だよ
図「空気の組成」

※二酸化炭素の割合は約0.04%です。

空気塊くん
空気塊くん
この組成の割合は上空約100㎞ぐらいまでほぼ変化しないんだ
うさぎさん
うさぎさん
意外だね
空気塊くん
空気塊くん
空気がよく混ざり合っているからだよ

※この空気の組成ではほぼ対流圏に存在していて、場所や時間でも大きな変化をする水蒸気の情報は除いています。
※水蒸気は地表付近で約1〜3%ほど含まれています。

気圧(大気圧)

気圧とは大気による圧力のことです。
単位はhPa[ヘクトパスカル]です。

空気塊くん
空気塊くん
海面にかかる平均の気圧を1気圧としていて、1気圧は1013hPaだよ。
うさぎさん
うさぎさん
Pa[パスカル]は圧力の単位だね。
空気塊くん
空気塊くん
ちなみにh[ヘクト]は100倍といういみだよ。

気圧を計測する地点より上にある空気の量で気圧の大きさが決まります。

標高と気圧の関係

空気塊くん
空気塊くん
気圧の大きさは気圧を計測する地点の上方にある空気の重さで気圧が決まるよ

そのため、標高が高くなるほど、情報の空気の量が少なくなり、気圧が低くなります。
逆に標高が低いほど、気圧は高くなります。

空気塊くん
空気塊くん
大体5.5㎞毎に気圧は半分になるよ
図「標高と気圧」

大気の構造

地球の大気が存在する場所を大気圏と言います。

うさぎさん
うさぎさん
どこまでが大気圏なの?
空気塊くん
空気塊くん
一般的には高度100kmから宇宙ということが多いから大気圏も100kmまでだと言われがちだけど、大気自体は高度数百kmも存在しているよ。

大気圏の層構造

空気塊くん
空気塊くん
大気圏は温度変化をもとに大きく4つの層構造に分けることができるよ
うさぎさん
うさぎさん
温度が上がるか下がるかが違うんだね
図「大気圏の層構造」

対流圏

対流圏は地表から高度約11㎞の部分です。雨や雪の気象現象のほとんどがこの場所で発生します。

図「大気圏の層構造」

対流圏の様々な特徴

対流圏はその名の通り、大気の対流が盛んに起きています。それは太陽のエネルギーを地表が吸収するからです。

対流活動が活発に起きることによって、雨や雲等の大半の気象現象は基本的に対流圏で発生します。

そのため、対流圏と、その上の成層圏との境界を圏界面と呼んで区別しています。
※対流圏と成層圏の境界は対流圏界面とも言います。

気温は高度とともに下がります。
100m毎に約0.65℃下がり、それを気温減率といいます。

対流圏の特徴まとめ
  1. 大気の対流活動が活発
  2. 気象現象の大半が発生
  3. 対流圏の上端を対流圏という
  4. 高度とともに気温が下がる(100m毎に約0.65℃)
空気塊くん
空気塊くん
気象現象の大半は対流圏で発生するよ
うさぎさん
うさぎさん
なんでだろう?
空気塊くん
空気塊くん
それは大気中の水蒸気のほとんどが対流圏に存在するからなんだ。
うさぎさん
うさぎさん
そうなんだ

成層圏

成層圏は高度約11㎞から高度約50㎞までの部分にあります。
オゾン層があるため、高度とともに気温が上昇しています。

図「大気圏の層構造」

成層圏の特徴

空気塊くん
空気塊くん
成層圏の特徴は何といってもオゾン層だよ
うさぎさん
うさぎさん
聞いたことある
たしか、紫外線を吸収するんだよね
空気塊くん
空気塊くん
そうそう
空気塊くん
空気塊くん
紫外線は有害だから、生物の陸上進出にオゾン層は無くてはならない存在だったんだよ
うさぎさん
うさぎさん
そうなんだ
空気塊くん
空気塊くん
オゾンが紫外線を吸収したエネルギーによって成層圏の温度は上昇しているよ
うさぎさん
うさぎさん
だから高度ともに気温が上昇していくんだね
空気塊くん
空気塊くん
そうそう

オゾンとフロン

オゾン層のオゾンはフロンという物質が原因で破壊されます。南極の春頃にオゾンが薄くなってできるオゾンホールが形成されます。

空気塊くん
空気塊くん
南極は南半球だから、春頃というのは9、10月あたりだよ。
うさぎさん
うさぎさん
南半球だから季節が逆なんだね
成層圏の特徴まとめ
  1. 高度とともに気温が上昇する
  2. オゾン層が広がっている
  3. オゾンが紫外線を吸収しているエネルギーによって温度が上昇している
  4. 成層圏の下の端を圏界面という
空気塊くん
空気塊くん
成層圏の温度上昇理由は入試などでもよく聞かれるよ。必ず覚えておこう!
うさぎさん
うさぎさん
了解でーす

中間圏

大気圏の層構造のうち、高度約50㎞から高度約80㎞までの部分です。
高度とともに気温が下がっています。

図「大気圏の層構造」
空気塊くん
空気塊くん
ここでは夜光雲が見られることがあるよ

熱圏

大気圏の層構造のうち、高度約80㎞以上の部分です。
高度とともに気温が上昇しています。

図「大気圏の層構造」
空気塊くん
空気塊くん
大気圏の4つの層構造のうち、一番高い層だよ
うさぎさん
うさぎさん
ここの気温ってなんで上昇しているの?
空気塊くん
空気塊くん
太陽から届く紫外線やⅩ線を吸収して高温になっているよ
うさぎさん
うさぎさん
そうなんだ
空気塊くん
空気塊くん
高度200km以上では温度は500℃を超えるよ
うさぎさん
うさぎさん
すごっ!!
空気塊くん
空気塊くん
ちなみにオーロラや流星は熱圏で発生するよ
コラム

「熱圏なのに熱くない!?」

熱圏は温度が500℃を超えていますが熱くありません。

うさぎさん
うさぎさん
どういうこと?

これは熱圏に含まれる分子の量がものすごく少ないからです。
つまり分子や粒子の運動のスピードは速いから温度は高いけれど、その量が少ないので分子や粒子が体に当たったときに移るエネルギー量が少なくなってあまり熱いと感じないという仕組みです。

大気の層構造のまとめGIF

GIF「大気の層構造」
うさぎさん
うさぎさん
最後に出てくる飛行機なに?
空気塊くん
空気塊くん
対流圏と成層圏の境目の圏界面ではジェット気流が吹いていてジェット機が飛んでいるよ

大気の組成

地球の大気は窒素が約78%で、酸素が約21%で形成されています。

図「空気の組成」
うさぎさん
うさぎさん
ほとんどが窒素と酸素なんだね。
二酸化炭素はどれくらい含まれているの?
空気塊くん
空気塊くん
二酸化炭素は約0.04%含まれているよ
うさぎさん
うさぎさん
そうなんだ

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