常日頃から、至る所で風は吹いています。
そもそも風はなぜ吹くのでしょうか。その仕組みを説明していきます。
風が吹く仕組み
空気の流れが風です。
空気にはたらく力は2つありその力によって空気が動き、風が吹きます。
気圧差によってうまれる気圧傾度力
地球の自転によってうまれる転向力(コリオリの力)
※ この2つ以外にも摩擦力や遠心力という力がはたらくときがあります。
でもなんで気圧差がうまれるの?
- 寒い場所と暖かい場所ができる
- 寒い場所では空気が冷やされて重くなり高気圧になる
- 暖かい場所では空気が暖められて軽くなり低気圧になる
- 高気圧から低気圧に向かって気圧傾度力が発生
- 風が吹く
風の方向は観測者から見て、どの方向から吹いてくるかという視点で表します。
丸い地球の温度差
地球は球体の形をしているため、次の図のように太陽から受け取るエネルギーが場所によって異なります。
このように地球が太陽から受け取るエネルギーは緯度によって異なるため、地球規模で温度差が生まれます。その温度差を解消しようとして、大規模な大気の流れが生じます。これを大気の大循環と言います。
大気の大循環
地球は球形のため、常に温度差が発生しています。
高緯度地域での熱の輸送
赤道付近は温度が高いため、空気が上昇しやすく、低気圧が1年間を通して発達しています。これを熱帯収束帯といいます。
上昇した空気は圏界面まで達すると、南北に向かって流れていきます。ここで、1番寒い極地域まで進むととても分かりやすい空気の流れになるのですが、実際は転向力によって曲げられて、緯度30°付近でそれ以上極方向に進めなくなります。
上空の北緯南緯30°付近まで運ばれてきた空気は下降します。そのため、緯度30°付近には下降気流によって1年間を通して高気圧が発達します。これを亜熱帯高圧帯といいます。
亜熱帯高圧帯で下降してきた空気は地上付近で南北に流れていきます。この中で赤道に向かって進む空気の流れを貿易風といいます。
貿易風は熱帯収束帯まで進み、そこで上昇します。
つまり、熱帯収束帯で空気が上昇して、上空で緯度30°付近まで進み、亜熱帯高圧帯で下降して、地上では赤道付近に向かって貿易風が吹くという形で、空気が循環しています。この循環をハドレー循環といいます。
ハドレー循環の「ハドレー」は人の名前です。
ハドレー(1685〜1768)はイギリスの気象学者です。貿易風の原因を考えました。
中緯度地域での熱の輸送(偏西風)
中緯度地域は年間を通して西寄りの風が吹いています。これを偏西風といいます。
偏西風は南北に蛇行することによって熱を南北に輸送しています。
ちなみに偏西風は上空ほど早く吹いていて、圏界面付近でとても強く吹きます。
※ジェット気流はちょうどジェット機が飛んでいる高度で吹いています。
高緯度地域での熱の輸送
高緯度地域では極で冷やされた空気により、空気が下降して極高圧帯が形成されています。
極高圧帯で下降した空気は極偏東風となって低緯度に向かって吹きます。
この一連の循環を極循環といいます。
大気の大循環まとめ
低緯度から高緯度までの大気の大循環をまとめると次のようになります。
現在の赤道と極地域の温度差は約40℃くらいだけど、大気による熱の輸送がなかったら、その差は80℃程度になると考えられているよ。