地球は太陽から大量のエネルギーを受け取っています。
地球が受け取って、放出するエネルギーは大きく2つに分類することができます。
太陽から受け取る太陽放射エネルギーと、地球が放出する地球放射エネルギーです。
太陽放射エネルギー
太陽放射エネルギーは主に電磁波という形で地球に届いています。
可視光線は目で見ることができる電磁波。簡単にいうと光のことです。
地球が受け取る太陽放射のことを日射といいます。
日射のエネルギーは\(1.37kW/{m}^2\)(キロワット毎平方メートル)です。
※ \(1.37kW/{m}^2\)という値を太陽定数と言います。
※ 太陽から受け取るエネルギーは地球大気中で変化してしまうので、太陽定数は地球の大気圏上端で太陽光線を垂直に受け取ったと仮定した時のエネルギー量を表します。
地球放射エネルギー
地球もエネルギーを放射しています。これを地球放射エネルギーといいます。
地球放射エネルギーは主に赤外線です。
昼間にしか受け取ることができない、太陽放射エネルギーと違い、地球放射エネルギーは夜間も放射され続けます。
地球のエネルギー収支
エネルギー収支が釣り合っているから、地球の温度は毎年毎年上がり続けたり、下がり続けたりしていません。
温室効果
赤外線を吸収する気体を温室効果ガスと言います。温室効果ガスには二酸化炭素やメタン、水蒸気などがあります。意外と知られていませんが、1番温室効果を発生させている温室効果ガスは水蒸気です。
温室効果ガスがない場合
温室効果ガスがない場合、太陽放射と同じ量の熱が、地球放射として宇宙へ逃げます。
温室効果ガスがある場合
温室効果ガスがある場合は、地球放射を一度、温室効果ガスが吸収して地表や宇宙へ赤外線を放射します。
このことによって熱が宇宙へ逃げにくくなり、地表の気温が上がります。
でも、温室効果が完全になくなってしまうと、寒くなりすぎてしまって平均気温が氷点下を下回るよ
それだと海の水が凍って人間は暮らせないね
放射冷却
夜間は地球放射によって気温が低下しますが、水蒸気は温室効果ガスなので、空が雲に覆われていたり、湿度が高くジメジメしたりしていて、空気中に水蒸気が多く存在すると、気温は低下しにくくなります。
反対に、空が晴れていて乾燥している時の夜には、地球放射の多くが宇宙に逃げて、気温が大きく下がります。
この現象を放射冷却と言います。
地球温暖化が近年の環境問題として話題になっていますが、その原因として温室効果ガスの増加だと考えられています。温室効果ガスとして一番影響を与えているのは大気中に含まれる水蒸気です。(ちなみにこのことを知らない人は意外と多いです)。でもニュースで話題になるのはいつも二酸化炭素です。それはなぜでしょうか。水蒸気は人間の活動で増えたり減ったりさせることはほぼ不可能です。でも二酸化炭素は人間のある活動によって増えるからです。それは化石燃料の燃焼です。化石燃料とは大昔の生物の遺骸からできていて、石炭や石油がそれにあたります。化石燃料には必ず炭素が含まれています。炭素は燃焼すると二酸化炭素になるので化石燃料を消費すると大気中の二酸化炭素濃度が上昇します。
人間はエネルギー源を化石燃料に頼った生活をしてきていましたが、このままでいいのかどうか、たくさんの議論がされています。環境問題は世界中の国が連携をとって動いてくことが大切だと考えられています。そのためには一人一人が正しい知識を身に着けて、その上で自分自身の考えを持つことが大切です。