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大森公式

地学のまも
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地学のまも(@tigakunomamo)です

この記事では大森公式について説明していきますね

大森公式とは

震源距離は初期微動継続時間(P-S時間)に比例することを表した式

アンモナイト先生
アンモナイト先生
地震学者の大森房吉さんが発見した式だよ
大森公式の式

$$\large D=kT$$
D:震源距離
k:定数
T:初期微動継続時間(P-S時間)

大森公式はどうやって考えられたか

地震では、スピードが速くて揺れが小さいP波と、スピードが遅くて揺れが大きいS波が同時に発生しています。
ふたつの波には速さの差があるので、震源から離れれば離れるほど、P波が届いてからS波が到着するまでの初期微動継続時間が長くなっていきます。

次の表のように・・・

うさぎさん
うさぎさん
初期微動継続時間がどんどん長くなっているね

震源距離が長くなるほどれに比例して、初期微動継続時間が長くなることに気がついた大森房吉は初期微動継続時間と震源距離を使った大森公式を考えつきました。

アンモナイト先生
アンモナイト先生
この公式によって、初期微動継続時間から震源距離を求めることができるよ。

大森公式の活用

空気塊くん
空気塊くん
大森公式は地学基礎分野ではよく計算問題として登場するよ
うさぎさん
うさぎさん
そうなんだ
でも大森公式ってどんな場面に使われているの?
空気塊くん
空気塊くん
良い質問だね
大森公式のすごいところは初期微動継続時間さえわかれば、震源までの距離がわかるってことなんだ
うさぎさん
うさぎさん
どういうこと?
空気塊くん
空気塊くん
つまり
ある地震が発生したときに、3地点以上で初期微動継続時間を調べたら震源地を特定できるよ
うさぎさん
うさぎさん
それはすごいね

大森公式からの震央を求める

大森公式を使って震源距離を計算して、地震を観測した地点から震源距離を半径にして円を描くと、その線のどこかに震源があることがわかります。

ですが、どっちの方角で、深さがどれくらいかはわかりません。

同じ地震を観測した別の場所があれば、同様に震源距離を半径にした円を描くことができます。

すると、円が被るところがでてきます。(だいぶ震源が絞られます)

同様にもう1地点で調べた震源距離の円を描いて、先ほどの2カ所の円を重なっているところを繋ぐと、ある1地点が浮かび上がります。

これが震央です。

うさぎさん
うさぎさん
震央が円の線上じゃないのはなんで?
アンモナイト先生
アンモナイト先生
それは震源が地下にあるからだよ

大森公式から震源の深さを求める

震央を求めるときは、平面の地図上に円を描きましたが、震源の深さを求めるときは、地面の中に円を描きます。(この円の半径は大森公式で計算した震源距離です。)

別の場所からも同様に地面の中に円を描いて、重なるポイントができます。

このポイントと地面までの距離が震源の深さです。


注:この図では震央とA地点、B地点は一直線上にあります。

(参考)大森公式の定数kについて

大森公式のkは地面の固さによって異なった値を示します。
地学基礎の問題によっては 6~8㎞/s の数値で提示されることも多いですが、P波とS波の速度から導出することもできます。
ちょっと難しく感じますが、仕組みは簡単です。

大森公式の定数の導出方法

Vp:P波の速度
Vs:S波の速度 とすると、

P波の到着時間\(=\frac{D}{Vp}\)
S波の到着時間\(=\frac{D}{Vs}\) となる。

ここから初期微動継続時間Tを表す式を作ると次のような式になる。

$$T=\frac{D}{Vs}-\frac{D}{Vp}$$

この式をD=の式に変換する。

$$D=\frac{VpVs}{Vp-Vs}T$$

\(\frac{VpVs}{Vp-Vs}\)は定数kのことなのでP波とS波の速度から定数kを導出できる

空気塊くん
空気塊くん
地震について体系的に学べるページを作ったよ
うさぎさん
うさぎさん
ぜひこっちも読んでみてね
地学基礎教室「地震」地学基礎の地震分野をできる限りわかりやすく解説したページです。長文です。 高校地学基礎の内容が、ある程度理解できるような内容になっています!...

POSTED COMMENT

  1. pyonky より:

    すごくよく分かりました!
    ありがとうございます

  2. pyonky より:

    とてもよくわかりました
    私もうさぎさんになって勉強しています
    ありがとうございます

  3. tigakumamo より:

    pyonkyさん
    コメントありがとうございます。
    お力になれてとてもうれしいです。
    勉強頑張ってください。

  4. モブ より:

    分かりやす他のも見て見よ

    • tigakumamo より:

      モブさん
      コメントありがとうございます
      大森公式の記事は現在、より情報量を増やした形に改訂しようと準備中です。改訂した記事もまた読んでいただけるように頑張ります。

  5. SIM より:

    分かりやすいです。
    期末テストの助けになりました。

    • tigakumamo より:

      SIMさん
      コメントありがとうございます。
      助けになれて嬉しく思います。

  6. かめ より:

    大森公式自体は知っていたのですが、定数kの活用法が分からず困っていました。丁寧な解説ありがとうございました!

    • tigakumamo より:

      かめさん
      コメントありがとうございます。
      お役に立ててとても嬉しいです。
      定数kの導出は理解できると面白いですよね。

    • ペペロンチーノ より:

      kはおおよそ7~8くらいだから困ったらそれ代入しとけばいいことあるかも!

  7. ゆたぽん より:

    分かりやすかったです!授業聞いてもわかんなかったので、助かりました!地学基礎が大好きで、センターは独学で専門地学を受けようと思ってます。また、困ったら参考にします!!!

    • tigakumamo より:

      ゆたぽんさん
      コメントありがとうございます。
      試験頑張ってください。応援してます。

  8. 匿名 より:

    地下に書いてある円はどこから出てきたんですか?
    そこが分からなかったので、教えて頂ければありがたいです!

    • tigakumamo より:

      匿名さん
      質問ありがとうございます。説明させていただきます。
      地下の円の半径は大森公式で計算した震源距離です。大森公式で計算した震源距離を地表に当てはめると震央が特定できますが震源の深さはわかりません。震源距離で作った円が地下ではどのように広がっているかを考えることで震源の深さがわかります。
      ご理解の参考になれば幸いです。不明点あればまたお気軽に質問してくださいね。
      記事の方も少しアップデートしておきますね。

  9. いっei より:

    大変分かりやすかったです。
    活用の仕方だけでなくどうやって考えられたか、なども書いてありとても良かったです。
    参考があるのもまたいいと思いました。

    • tigakumamo より:

      いっei さん
      コメントありがとうございます。
      記事がお役に立てたみたいで、大変嬉しいです。

  10. 大忙しの学生 より:

    本当に最高の授業でした!
    どこのサイトよりもわかりやすかったです!!!

    • tigakumamo より:

      大忙しの学生 さん
      とても嬉しいコメントをありがとうございます!
      更新の励みになります。

  11. コタコタ より:

    とても分かりやすかったです。ありがとうございます。これからも頑張ってください。

  12. アリンコ より:

    震源距離って具体的にはどうやって求められるのですか
    教えていただければありがたいです!

    • tigakumamo より:

      アリンコ さん
      コメントありがとうございます。
      震源距離は大森公式を使って、初期微動継続時間の長さから計算できます。この説明で、不十分な場合はお気軽にまた、質問してください。

  13. 01の集大成 より:

    定期試験前なのにイマイチ理解出来ていなかったのですが、これを理解出来ました!明日の試験、頑張ります。

    • tigakumamo より:

      01の集大成さん
      コメントありがとうございます。
      試験頑張ってください!応援しています。

  14. ももきち より:

    すごくわかりやすかったです!
    ありがとうございました!

    • tigakumamo より:

      ももきち さん
      お役に立てて嬉しく思います。嬉しい言葉をありがとうございます。

  15. モファ より:

    すみません
    定数とはなんですか?

    • tigakumamo より:

      モファ さん
      大森公式の定数kは地面の中を伝わるP波とS波の速さによって決まる値です。

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