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【読書感想】台風防災の新常識

空気塊くん
空気塊くん
防災知識をアップデートしよう!

感想

最近の災害のニュースで、観測史上初などの言葉をよく耳にします。災害が多くなっていたり、今まで聞いたことのないような新しい災害が発生していることをなんとなく実感している人は、私を含めて多いのではないでしょうか。

著者は現代を災害激甚化時代と呼んでいます。この本を読めば、今までの災害に対する考えや知識を新しいものにアップデートすることができます。これからの時代で生活していくには、災害に対してどのような知識をもち、どのような心構えが必要であるのかを、著者の現地調査などで得た教訓やデータからわかりやすく説明してくれている一冊です。

様々な災害の事例を見ると、他人事ではなく、今まさに考えなければならない問題であることが実感できます。

令和2年の災害の事例まで記載されていて、情報が新しい点がとても良かったです。
本の中にたくさんの写真で災害事例を紹介してくれているのですが、可能であればカラー写真がもっと多いとよりわかりやすいと思いました。

空気塊くん
空気塊くん
一人一人の災害に対する意識も高めることができる、多くの人に読んでほしい本でした

本の要約

台風により発生する災害

台風による被害はとても多岐にわたります。風によるもの、水によるもの、土砂によるもの、などなど。

災害が発生した時はニュースで大きく取り上げられて関心が高まりますが、なかなか関心を維持し続けるのは難しいです。

この本では数多くの台風災害の実態を風によるもの、水によるものなどの種類別に紹介してくれていて、災害の実態をしっかりと掴むことができます。

改めて自然のパワーを知るとともに、対策を行うことの大切さを実感します。

台風から命を守るために大切なこと

著者は「段取り八分」という言葉は防災にも当てはまると言います。
つまり災害が起きてからできることは2割くらいで、防災対策でできることの8割は事前準備の段階にあるということです。

事前準備において大切なことを5つの原則として紹介しています。

空気塊くん
空気塊くん
次の5つだよ

1、情報を得る方法を知っておく

災害前に情報を知る方法はたくさんあります。テレビや新聞に加え携帯のアプリなどです。

いざというときに情報を活用できるように日頃から、どのように情報を得るのかを確認しておくといいです。

2、自宅専用の防災マップを作成する

そもそもいざというときに、垂直避難がいいのか、水平避難がいいのか、それは家によって異なります。避難方法や災害に対する行動は同じ市町村でも家ごとに変わります。

そのため、周囲の危険な場所や避難方法を各家庭でまとめて、オリジナルの防災マップを作ることの良さや作成方法を本では説明してくれています。

3、避難スイッチを決めておく

いざというときに案外避難行動に移せないものです。そのため、あらかじめ「こうなったら避難する」というラインを決めておくことの大切さが書かれています。

避難スイッチがあることで躊躇ないスムーズな避難を行える可能性が高くなりそうです。

4、平時の雨の日散歩で危険なところを調べておく

平時に、雨が降った時は散歩することを著者は勧めています。

雨の日散歩を行うことで、意外と気がつかない、周囲の危険なところや水の動きをあらかじめ知ることができるかららしいです。

うさぎさん
うさぎさん
雨の日は外に出るのが億劫だけど、ぜひ外に出て周囲の変化を調べよう

5、マイ・タイムラインを作成する

いざというときに正しい行動を咄嗟に取れるとは限りません。そのため、著者はマイ・タイムラインを作成することを推奨しています。

マイ・タイムラインとは何かというと、台風接近の72時間目から台風が通過するまでの間に何をいつぐらいの時間にするのかを決めておくというものです。本を読めば具体的な行動例が書かれています。これを作っておけば迷わずに行動できそうです。

避難について

避難情報と警戒レベルの説明から、「正常性バイアス」の説明、垂直避難と水平避難についてや、在宅避難についてや避難所のことまで避難についての一通りのことを簡潔に学ぶことができます。

こういう知識は知っておくだけで全然違うので、わかりやすくまとめてくれていてとても重宝しそうです。

まとめ

アンモナイト先生
アンモナイト先生
災害に対しては正しい知識を身につけて、正しく恐れて、しっかり準備をしておく
うさぎさん
うさぎさん
それが大切!

本の情報

タイトル:台風防災の新常識:災害激甚化時代を生き抜く防災虎の巻
著者:山村武彦
出版社:戎光祥出版
発行年:2020年10月

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